手軽にできて、大人から子供まで人気の「縄跳び」。縄跳びを使ったトレーニングを始めてみたいけれど、どんなメニューで行えばよいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、縄跳びの効果的な練習メニューを目的別にまとめました。縄跳びの効果や、トレーニングを行う際の注意点も解説していますので、是非参考にしてくださいね!
縄跳びの効果
メニュー紹介の前に、まずは縄跳びの効果について解説します。場所を選ばず、道具も少ないので手軽にできる縄跳びですが、一体どんな効果があるのでしょうか?
持久力と心肺機能の向上
実は縄跳びは、かなり運動強度の高い有酸素運動。国立健康・栄養研究所が発表している運動強度(メッツ)の比較では、
フィットネスクラブでの運動(全般):5.5
縄跳び(全般):12.3
ピラティス(全般):3.0
ジョギング(全般):7.0
バスケットボール(試合):8.0
とされており、縄跳びは他の有酸素運動に比べて高い負荷がかかることがわかります。
このような運動強度の高い縄跳びを定期的に行うことで、全身に負荷がかかり、酸素を運搬する毛細血管が発達すると言われています。これにより体力の増強や心肺機能の向上が期待できます。
体幹や全身の筋肉を鍛えられる
縄跳びは有酸素運動であるとともに、全身の筋肉にアプローチできる運動でもあります。垂直のジャンプを繰り返すことで、脚の筋肉はもちろん腹筋や背筋にも負荷をかけることができます。
加えて、縄を回し続けなければならないため、腕全体の筋肉や、特に二の腕に刺激を与えられると考えられます。これにより、体幹と全身の筋肉を鍛えられます。
脂肪燃焼効果
「持久力と心肺機能の向上」、「体幹や全身の筋肉を鍛えられる」ことにより、脂肪燃焼効果が期待できます。代謝をあげ、全身の筋肉にアプローチすることで、効果的にダイエットできる運動が縄跳びと言えるでしょう。
練習を始める前に、気をつけること
次に、縄跳びを行う際に注意したいことについてまとめました。縄跳びは見かけによらず激しい運動ですので、怪我などを防ぐために留意しておくことがいくつかあります。せっかくの努力が仇とならないよう、以下のことに注意して行いましょう。
縄跳びは身体と目的に合ったものを選ぶ
縄跳びにはいくつか種類があり、用途によって適した素材が変わってきます。例えば布素材の縄跳びは重さがありゆっくり回すことができるため初心者の練習には適していますが、回数を稼ぎたいダイエットや、技を極めたい練習用には向いていません。また、チューブタイプの縄跳びは普通のビニールタイプの縄跳びの10倍の重さがあり、筋肉のトレーニングをしたい方に適していますが、なるべくストレスなく行いたい初心者の練習や、高度な技の練習には向きません。
素材と適した用途について、以下の表にまとめましたので、興味がある方はぜひ参考にしてください。
縄跳びの素材別特徴・適した用途
縄跳びの素材 | ひも・布 | ビニール | ビーズロープ | チューブ | ワイヤー |
特徴 | 重さがありゆっくり回すことができる | 軽くて回しやすい。安価なものが多い | 床に当たると音が鳴るため、リズムをつかみやすい | 重くて太い。負荷が大きく上半身を鍛えられる | 金属製で細い。早く回すことができる |
適した用途 | 初心者の練習 | ダイエット | 初心者の練習 | ダイエット | 高度な技の練習 |
こうした素材に加えて、縄の長さも飛びやすさに影響します。縄跳びを行う際の理想の長さは、身長プラス55cmと言われています。また、グリップを握って肘を直角に曲げた際に、ピンと張った状態になるかということも目安になります。市販の縄跳びは2〜3mのことがほとんどなので、長めのものを買って自分の体型にあった長さに調節しましょう。
服装に注意
ジャンプをした際縄や身体に当たらないよう、身体にフィットした運動着で行うことをオススメします。また、女性が縄跳びを行う際は、激しい揺れにより胸が垂れてしまう心配があります。胸をしっかりホールドしてくれるスポーツブラを着用するなどして予防しましょう。
怪我をしないよう、準備運動と運動後のケアを
縄跳びをする際は怪我に注意!手首・足首を回すなど、しっかり準備運動を行ってから取り組みましょう。特に、姿勢が崩れていると怪我をしやすいです。膝が内向きになっていないか確認して行なってください。
運動後はストレッチや、マッサージをするのがオススメ。疲れを持ち越さないことがトレーニング継続のコツです。
【目的別】縄跳びの効果的なメニュー
ここからは、縄跳びの効果的なメニューについて解説してきます。「ウォーミングアップ」「フットワーク強化」「体幹・バランス強化」「持久力強化」「ジャンプ力アップ」「ダイエット」「縄跳びの上達」という7つの観点から紹介していきますので、ご自身の狙いに近いものを参考にしてみてください。
運動前のウォームアップとして
縄跳びは手軽にでき、短時間で体が温まるので準備運動にもってこいの運動です。運動前に軽く行うことで、怪我の防止や運動効果のアップが期待できます。メニューとしては、
1前跳び 1分間に60回〜70回のペースで1~2分
2後ろ跳び 1分間に60回〜70回のペースで1~2分
3かけあし跳び 1分間に60回〜70回のペースで1~2分
といった、軽めのものがオススメ。特にかけあし跳びは呼吸を止めずに行いやすいので、効果的な有酸素運動になりやすく、筋トレの前などに行えば効果アップが期待できます。体力を消耗しすぎないよう、余裕を持って行いましょう。
フットワークを鍛えたい方に
サッカーや野球、テニスといった球技を行う方の中には、縄跳びによって脚力のアップを図りたいという方も多いのではないでしょうか。脚力アップには、二重跳びやかけあし跳びといった、足の筋肉と瞬発力を必要とする動きを取り入れることがオススメです。具体的なメニューは以下の通り。
1かけあし跳び 1分間に120回のペースで1分間×3セット
2二重跳び 1分間に60回のペースで1分間×3セット
3前跳び 1分間に120回のペースで1分間×3セット
二重跳びを1分間続けるのは難しいので、徐々に続けられるようになればok。ご自身の体力に合わせてセット数を調整しながら行なってください。
体幹・バランス感覚アップ
縄跳びには体幹を鍛える効果も。体幹を鍛えることで、太りにくく痩せやすい体に近づきますよ。体幹やバランス感覚を鍛えるためには、できるだけ垂直にジャンプし回数をこなすことが重要です。具体的な工夫としては、床に円状の印をつけ、その範囲から出ないように縄跳びを行うことがオススメです。円の中で以下のメニューを行います。
1前跳び 1分間に60回のペースで1分間×3セット
2後ろ跳び 1分間に60回のペースで1分間×3セット
3かけあし跳び 1分間に60回のペースで1分間×2セット
4片足跳び 1分間に120回のペースで1分間×2セット
前跳びや後ろ跳びといったシンプルで簡単な飛び方でも、疲れてくると軸がぶれ円からはみ出てしまうことも。また、片足跳びを取り入れることでさらに難易度が上がっています。片足跳びで円からはみ出ずに飛びきることができれば、バランス感覚がアップしていること間違いなしです。
持久力強化
階段の昇り降りなど、日々の生活の中で持久力の必要性を実感する方も多いのではないでしょうか。縄跳びは運動負荷の高い有酸素運動であるため、シンプルな飛び方を続けるだけで持久力の向上を期待できます。具体的なメニューとしては、以下がオススメ。
1前跳び 1分間に60回のペースで1分間×5セット
2後ろ跳び 1分間に60回のペースで1分間×5セット
3かけあし跳び 1分間に70回のペースで1分間×5セット
4あや跳び 1分間に60回のペースで1分間×5セット
シンプルな飛び方で、総合的には他のメニューよりも練習時間を長くできる内容にしました。前跳びや後ろ跳びに加えて、あや跳びも取り入れることで飽きずに取り組むことができそう。休憩時間をしっかりととって行いましょう。
ジャンプ力アップ
バスケットボールなど、跳躍力が求められるスポーツを行う方にオススメしたいのがこちらのメニューです。縄跳びは飛び方を工夫することでジャンプ力向上の効果も期待できます。足の筋肉トレーニングと併せて行うとさらに効果的。メニューは以下の通りです。
1二重跳び 30秒に30回のペースで30秒間×5セット
2片足二重跳び 30秒に30回のペースで30秒間×5セット
三重跳びができる方は、上記のメニューに加えて行うと○。片足二重跳びが難しいという方は、二重跳びの回数を増やしましょう。こうした縄跳びのメニューに加えて、スクワットなど下半身の筋肉トレーニングも行うとさらに効果的です。
ダイエットをしたい方に。シェイプアップメニュー
次に紹介するのは、ダイエットをしたい方向けのメニュー。有酸素運動に加え、全身の筋肉をくまなく鍛えられる飛び方を行うことで、全体的なシェイプアップを狙います。
1前跳び 1分間に60回のペースで1分間×5セット
2後ろ跳び 1分間に60回のペースで1分間×5セット
3かけあし跳び 1分間に70回のペースで1分間×5セット
4交差跳び 1分間に60回のペースで1分間×5セット
ポイントは、長く飛び続けられる飛び方を総計で20分ほど行うということです。他のメニューにはない交差跳びを取り入れることで、気になる二の腕も刺激できるでしょう。お腹周りが気になる方は、着地の際腰をひねる動きも取り入れるとさらに効果的。
子供の練習に。縄跳びの基礎を徹底的に固めるメニュー
学校の授業などで、縄跳びの練習が必要な場面があるかもしれません。基礎的な飛び方を練習して、高度な技に挑戦する土台を作りましょう。具体的なメニューは以下の通りです。
1前跳び 1分間に60回のペースで1分間×2セット
2サイドスイング 1分間に60回のペースで1分間×1セット
3後ろ跳び 1分間に60回のペースで1分間×2セット
4二重跳び 30秒に30回のペースで30秒間×2セット
5あやとび 1分間に60回のペースで1分間×1セット
サイドスイングとは、体の横で一度縄を回転させ、その勢いを活かしたまま腕を開き、縄を飛ぶ飛び方です。サイドスイングだけでなくあやとびや二重跳びも、さらに高度な技の基礎となる飛び方で、マスターしておくとできる技の幅が広がります。
様々な技に挑戦することで、集中の続きづらいお子様でも飽きずに練習することができ、体力づくりにも一役買うのではないでしょうか。もしも途中で飽きてしまった場合は、じゃんけん跳びやお尻跳びのように遊びの要素が強いものを提案することで、無理強いすることなく縄跳びの練習ができますよ。
以下に子供が楽しめる、思わず笑ってしまうような飛び方をまとめましたので、興味がある方はこちらもご覧ください。
じゃんけん跳び
じゃんけん跳びは、縄跳びをしながら足を使ってじゃんけんをする飛び方です。足の形によってグー、チョキ、パーを区別し、勝ち負けを決めるゲーム性の強い飛び方となります。足の形は以下の通りです。
グー:両足を閉じた状態
チョキ:足を前後に開いた状態
パー:足を左右に開いた状態
遊び方は簡単で、前跳びを数回した後「最初はグー」と掛け声を出して、「ポイ!」のリズムに合わせて上記3つのうちのどれかの足の形にするというもの。ポイの掛け声のあとは縄に引っかかっても良いですが、掛け声より前に引っかかったら負けとなります。あいこの場合は再び前飛びから始め、掛け声と同時に足の形を変えることを繰り返します。
おしり跳び
おしり跳びは、なんと床に座った状態で行う飛び方。飛んでいる様子がコミカルでおもわず笑ってしまいます。
まずは座った状態で、片手で両方の持ち手を持ち、縄を鞭のようにします。次に頭上で縄を回し、縄に勢いをつけます。そのまま身体の下を通し、おしりでその縄を飛び越えると、おしり跳びができます。体全体の筋力を使うため、結構難しい。
コツとしては、しっかりと縄に勢いをつけ早く身体の下を通すことと、体全体を使って滞空時間を増やすことが大切です。
はやぶさ
はやぶさは、あやとびを更に進化させて二重跳びで行う飛び方です。あやとびは1回のジャンプ毎に前跳び、交差跳びを繰り返す飛び方ですが、はやぶさは1回のジャンプで前跳びと交差跳びを同時に行います。
ポイントは高く跳ぶことと腕を早く動かすこと。縄跳びが得意で、普通の二重跳びでは物足りないという方にオススメ。ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は目的別に効果的な縄跳びのメニューをご紹介しました。求める効果によって、飛び方や回数、跳ぶペースが変わってくることがお分りいただけたかと思います。ぜひ今回紹介したメニューを実践して、効果的に縄跳びトレーニングを行なってくださいね!
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